『人に惚れて 人になる』
それは、自ら教育にロマンを持ち続け、これまでに多くの講義や講演会を通して学生のみなさんや保育現場に携わってこられた方々に時に笑いあり、時に涙ありの数々の感動の講演をして下さった本学園の元学長 故・秋葉英則先生が私たちに残してくださった最後の言葉でもありました。
生前の秋葉先生は、自らのことは決して自慢しないが、素晴らしい人の話を私たちに次々と紹介し、聴く人の心を一つにしてくれる秋葉節で有名で、保育業界では一目置かれる教育学者であり、心理学者でありました。
私は、この本のタイトルを見るたびに私が小学6年生だった時の担任の赤松先生と6年4組の友と共にすごした楽しい日々を思い出します。当時私のクラス6年4組では、一時期『こっくりさん』が流行っていましたが、赤松先生は
『こっくりさん』の不思議に熱中する私たちと一緒になって放課後に時間をとってまで『こっくりさん』の不思議にのめり込んでいた私たちに付き合ってくださいました。
赤松先生は必要な時には厳しく、でも日ごろの学校生活では、当時何にでも興味津々だった小6の私たちのことをいつも気づかって、温かく見守って下さる先生でした。そして私はそんな赤松先生が大好きでした。
今、私は子どもたちから先生と呼ばれる仕事をさせていただいています。
私も赤松先生のようにいつも温かく子どもたちの太陽のような存在でいたい!
かつて私が心を寄せていたように、子どもたちの気持ちに寄り添える、そんな惚れられるような存在でありたい!
職場もまた同じでした。人は人に惚れて人になって行くんだ。
私は、若い職員たちにとって少しでも見本となれるような存在なのだろうか。日々考えさせられる今日この頃です。
保育関係者の間では『いつも感動の講演をしてくれる!』と全国的に有名であった故・秋葉英則先生の
平成21年8月20日発行著書 『(人は)人に惚れて人になる』 は今では私の大切な言葉のひとつです。
本を読んだ感想・・・
「私と子どもたちとの関係、職場で出会う人たちとの関係は、まず自分が誠実に周りにいる人たちと向き合い、温かい気持ちで相手と接することで、自分にとっても相手にとっても、とても大切な時間、人生の宝のような時間に変わっていく。子どもたちや職場で出会う人たちとの関係をもう一度見直そう。」と思える内容でした。
それからこの本のいたるところから、秋葉先生の人への温かさがひしひしと伝わって来て、「私も子どもたちにとって
このような存在でありたい」と改めて熱く思えました。
もしお時間のある人は、一度この本を読んでみてください。みどり幼稚園がどんな保育をめざしているのか、本園のホームページや募集要項とはまた別の角度から本園の子どもたちと向き合う姿勢が見えてくるのではないでしょうか。
本当に最後まで涙なしには読めない本ですが、保育関係者だけではなく園児のお父さんやお母さん方、今まさに子育て真っ最中の皆さんに読んでいただきたい本の一つだと思いました。
みどり幼稚園副園長 平尾道夫
※園でも特別図書として貸出させていただいていますので、興味のある方は職員までお問合せ下さい。